■名探偵モンク エピソードガイド
名探偵モンク 猟奇的連続殺人
猟奇的連続殺人 Mr. Monk and 12th Man
脚本:マイケル・アンジェリ
監督:マイケル・ジンバーグ

あらすじ
 高速道路の料金所で働くフランク・ポロスキーという男が、やってきた通行車両に乗った男に釣りを渡そうとしたとたん、手錠をかけられ、そのまま何キロも引きずられて殺されるという事件が起こった。

 次期市長候補であるケニー・シェールとのデートが新聞に載って大はしゃぎのシャローナと共に、行きつけのクリーニング屋の女主人と彼女が付け直したシャツのボタンの縫い方について口論していたモンクの元に、ストットルマイヤー警部から電話が入る。

 このところ、サンフランシスコでは奇妙な殺人事件が、立て続けに起こっており、警部はモンクに捜査協力を依頼。しかし、モンクとシャローナが現場に到着すると、ディッシャーを除くその場にいた警官全員(警部も)が、モンクではなく、シャローナのご機嫌をとり始める。市長は警察官の昇進に大きな発言力を持つため、次期市長候補の恋人であるシャローナは、一躍、警官達の人気と注目の的になったのだ。みんなにちやほやされたシャローナは、すっかり女王様気分で浮き足立ってしまう。

 そんな折、またしても、今度は映画館で女性が殺される事件が起こる。現場に犯人が残していった10ドル紙幣を見て、モンクは一連の殺人事件は同一犯による連続殺人事件だと見破るが、いったい犯人はどういう基準で被害者を選んでいるのか、全くわからない。

 被害者達の写真を見ていたモンクは、その中の数人の写真に同じ保険会社のカレンダーが写っていたことから、その保険会社を経営しているヘンリー・スモールズが何らかの関わりをもっていると疑い、成り行きでデート中のシャローナとケニーをつれて、ヘンリー・スモールズの家の前で張り込みを始める。車のバックシートでいちゃいちゃするシャローナとケニーにうんざりしながらヘンリーの帰りを待っていると、なんとヘンリーはモンクの目の前で、何者かに刺し殺されてしまう。

 これで連続殺人事件の被害者は11人。しかし、殺しの手口も全て違えば、被害者の性別、人種、年齢、職業、なにもかもに共通点は全くない。しかし、あまりにも共通点がなさ過ぎるという事実をヒントに、モンクは、犯人がどのような基準で被害者を選んだのかという謎の答えをついにみつけだす―――


このエピソードの《警部ファン的》みどころ
 余談になるが、このエピソードでケニー・シェールを演じているジェリー・レヴィンは、『容疑者は夢の中』をはじめ名探偵モンクの数多くのエピソードの監督をつとめている。またレヴィンという名前から、彼をテッドの親戚か何かかと思う人が多いようだが、二人の間に血縁関係はないらしい。

えっ、あたしに聞くの?

「君はどう思う、シャローナ?」
とモンクではなく、いきなりシャローナに意見を聞く警部。
 警部だって人間そして組織人。ゴマをする時だってある。そういう普通の人っぽさが、警部の大きな魅力のひとつだと思う。

はい、手を出して

 浮かれ気分のシャローナにほったらかしにされ、握手の後のウェットティッシュがもらえずにうろたえるモンクの手に、すかさずアルコールをスプレーしてティッシュを渡してあげる警部。私の友人は警部のことを、アシスタント兼看護婦ならぬ、元上司兼看護夫と言っていたが、まさにそんな感じ。それにしてもこの手馴れた対応。まさかシャローナに出会う前は、警部がモンクのお手拭き係をやっていたりして!?

モンク、おまえってやつは・・・ 天才! 最高! 大好き! チュッ☆

 ついに連続殺人事件の被害者達の共通点を見つけ出したモンク。警部は嬉しさと感謝のあまり、モンクを抱きしめ、ほっぺにチュッ☆
 こうしてストットルマイヤー警部は、名探偵モンクが始まって以来、2番目にモンクにキスした人物となった。

ありがとう、ハニー;;

 ケニーのネクタイを直してやるシャローナに対抗して、警部の上着をかいがいしく直すディッシャー。
 ディッシャーは、シャローナのことが好きみたいなので、目の前でケニーといちゃつかれて面白くないのはわかる。しかしなぜそれが、対抗意識となって警部の上着を直すという行動に繋がるのか、ディッシャーの心の動きはナゾである。面白いけど。

♪ゴマをすりましょ〜陽気にゴマをね!

 内心では馬鹿にしていながらも、昇進出世の可能性という魅力には抗えず、ついついケニーにゴマをすってしまう警部。

よし、真犯人を捕まえに行くぞ!

 しかし、ちょっと浮世離れしているモンクとは違い、しょせん聖人君子にはなりきれない俗っぽさを持っている人だからこそ、ケニーに逆らい出世の可能性を棒に振ってでも、モンクを信じて彼に時間を与える決心するシーンの警部は、プロフェッショナルとしての高潔さとモンクへの信頼感にあふれていて、かっこいい。


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