■名探偵モンク エピソードガイド
名探偵モンク 陰謀の観覧車
陰謀の観覧車 Mr. Monk Goes to the Carnival
脚本:ステファン・バイン・オコーナー
監督:ランドール・ジスク

あらすじ
 ストットルマイヤー警部の元パートナーで20年来の友人でもあるアダム・カーク警部補は、情報を売りたいといってきたジョン・ギトマーという見知らぬ若者と、遊園地で会う約束をする。

 ギトマーは話は観覧車の上でするといい、二人は一緒に観覧車に乗り込んだ。やがて彼らを乗せた台が上に上がると、突然「助けてくれ! 殺される!」というギトマーの声が、人でごったがえしている遊園地の頭上に響き渡る。地上につくやいなや、うんざりした顔のカーク警部補は観覧車から降り、立ち去ろうとしたが、観覧車のオペレーター、キティの「あなた、何をしたの!?」という声で振り返ると、いつのまにかギトマーの胸には深々とナイフが突き刺さり、彼は本当に死んでいたのだった。

 本人は全面的に否定したものの、状況証拠からカーク警部補の犯行は疑いの余地なしと思われた。しかもカーク警部補は、以前にも被疑者に対して暴力を働いたことがあり、今現在もレナード・ストークスという男から『警官による暴力』で訴えられている最中だった。

 古い友人にかけられた殺人容疑を晴らすため、ストットルマイヤー警部はモンクに極秘の捜査を依頼する。ちょうどその頃、モンクのサンフランシスコ警察への復職に向けての審問会が開かれており、ここで協力すれば、審問会で警部が自分の復職を推薦してくれるかもしれないという思惑も手伝って、モンクは警部の頼みを引き受け、事件の捜査に乗り出す―――


このエピソードの《警部ファン的》みどころ
 事件にモンクの復職が絡んで、警部ファンにはみどころの多い回。

リーランドとアダム

 警部に対して気軽にリーランド呼ばわりを連発し「お前は昔っから心配性すぎるんだよ、早く帰って寝ろよ」なんて言えてしまうアダム・カーク警部補は、他にそういうキャラクターが出てこないので、かなり新鮮な印象。ギトマーが死んだ後の二人のやりとりからも、きっとパートナーを組んでいた頃は、さぞかしやんちゃばかりして、モンクとは別の意味で警部を困らせてたんだろうな、なんて思わず想像してしまう。モンクといいディッシャー警部補といい、警部のパートナーとなる人は、手のかかるタイプが多いようだ。なんだかんだ言っても警部はものすごく面倒見のいい人なので、その手のタイプと相性がいいのだろう。

すれ違うふたり。すれ違う心。

 モンクの復職を推薦せず、失意のモンクとシャローナの恨み言を、唇をかみ締めて聞く警部。視聴者の私達は、警部が審問会でどれほど一生懸命にモンクのことを誉めたか知っているが、彼らは知らない。特にシャローナは、意地悪でモンクを推薦しなかったのだと思って、警部を責める。だが真実はそうではない。警部は個人としては心からモンクを推薦したかったが、警察官として、今の状態のモンクを推薦することはできなかった。モンクはそれを理解している。彼が正しいのもわかっている。いくらわかっていても、感情が理性に追いついていかない。モンクにとっても警部にとっても辛いシーンである。

気づいたのはただ一人、エイドリアン・モンクだけ。

 モンクの復職に関する審問会から帰ってきてからずっと、落ち込みっぱなしの警部を元気付けようとディッシャーが飲みに誘いに来る。警部はそれを断って、代わりに、自分がモンクと初めてあった日のことを語り始める。
 警部がどれほどモンクの能力を高く評価し、尊敬しているかがよくわかるシーン。

あきらめるな。命令だ。

 自分のおかげで疑いが晴れ、復職したアダム・カーク警部補をうらやましそうに見つめるモンクに、警部が一言。
「あきらめるなよ」
 モンクは笑って「それは命令ですか?」
「ああ、そうだ」
 警部がモンクに対して初めて言葉ではっきりと、彼に対する自分の本当の気持ちを伝えたシーン。時に怒ったり、うるさがったりするけれど、本当は警部はモンクの最大の理解者であり、絶対的な味方なのだ。


このエピソードの関連リンク
アメリカ公式サイトのこのエピソードのページ
日本公式サイトのこのエピソードのページ

エピソードガイドのインデックスへ
トップページに戻る