■名探偵モンク エピソードガイド
名探偵モンク 宙を舞う殺人者
宙を舞う殺人者 Mr. Monk Goes to the Circus
脚本:ジェイムス・クレイグ
監督:ランドール・ジスク

あらすじ
 セルゲイ・クルバリアスという名の男が人目の多いオープンカフェで射殺された。犯人はかなり離れた位置から一発で男をしとめると、通報しようとした給仕頭を回し蹴りで一蹴、飛び上がって頭上のポールを掴み、鮮やかにサマーソルトを決めて逃げ去った。

 殺されたセルゲイはサーカスの団員だった。モンクとシャローナは警部達と共に彼が所属していたサーカスへと足を運ぶ。しかし、サーカスにいる象を見たとたん、シャローナは震え上がって逃げ出してしまう。彼女には、子どもの頃の思い出が原因で象に対する恐怖があったのだ。しかし、そんなシャローナにモンクは、象が怖いなんてくだらない。我慢しろ、と言ってシャローナを怒らせてしまう。

 やがて、殺された男の元妻で「天空の女王」の異名を取る軽業師のナタ―シャが容疑者として浮かび上がる。彼女は非常に頭がよく冷静な女で、元の夫を恨んでいたことから動機もあり、男を殺した犯人が見せたアクロバティックな動きもできる。しかし彼女は、2週間前に空中ブランコの演技中に25フィートの高さから転落し、足を複雑骨折して車椅子に乗っていた。

 彼女の怪我の真偽を疑ったモンクは病院でレントゲンを撮らせるが、間違いなく彼女の足の骨は、折れるどころか砕けており、絶対にサマーソルトなど出来る状態ではない。だからこそ彼女の犯行なのだとモンクは主張するが、しかしモンクにも彼女がどうやったのかがわからない。

 一方、シャローナと仲直りするため、モンクはサーカスの象使いに頼んで、象と触れ合うことで彼女の恐怖心を取り除いてやろうとする。
 象使いの言うことをよく聞く象のディディに、シャローナが少しずつ緊張を解いてきたところで、象使いは、象がどれほど安全な動物か見せるために、自分の頭を象に踏ませるという芸をやるが、なんとシャローナの目の前で、象使いは象に頭を踏み潰されて死んでしまう。あまりのことにパニックを起こすシャローナ。その様子を、少し離れたテントの中からナタ―シャがじっと見つめていたー――


このエピソードの《警部ファン的》みどころ

エイドリアン、お前とは長い付き合いだが、いまだによくわからん

 靴下が左右違うから、というだけの理由で、警部に警官の一人を現場から追い払わせるモンク。
「彼はわかってくれましたか?」
と尋ねるモンクに、警部は
「わかるわけないだろ。エイドリアン、お前とは長い付き合いになるが、俺だってまだわからん」
 でも実際には、かなりわかってると思う。いつだってわからんわからん言いながらも、結局、モンクの言うことを聞いてあげているのだから。

俺の邪魔をするのは賢いことじゃないぞ

 ディッシャーを馬鹿にして、質問にまともに答えようとしない大男の黒ヒョウ使いに、近寄って一言
「貴様には警部補を怖がる理由はないかもしれんが、俺を怖がる理由は山ほどあるはずだ。俺はダウンタウンに、そのヒョウの檻よりも大きな檻を持ってる。友好的とはいえん場所だが、もしこれ以上俺の捜査の邪魔をすると、そこに入ってもらうことになるぞ。名前は?」
 さすがベテラン、ふざけた態度をとる奴への対処法もちゃんと心得てる。優しいだけじゃなく、締めるところは締め、厳しくいくべき時はとことん厳しい警部。かっこいい!

仲良くしないさい、仲良くね

 シャローナとモンクの間の険悪な雰囲気を察して、自分がカレンとモメた時に知り合った夫婦問題のカランセラーを紹介しようか、とちょっととんちんかんなことを言い出す警部。
 それにしても、モンクの灰色の脳細胞をきちんと機能させるために、モンクの集中を妨げる警官やピエロを追い払ったり、シャローナとの喧嘩の仲裁に気を使ってあげたり、ほんとにご苦労様なことである。

警官に対するモノマネ罪で逮捕する!

 ついに堪忍袋の緒が切れてピエロを逮捕。その罪状が公務執行妨害とかではなく「警官に対するモノマネ罪!」っていうのが、なんとも子どもっぽくてかわいらしい。


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