■名探偵モンク エピソードガイド
億万長者の殺し方 Mr. Monk and the Billionaire Mugger |
脚本:ティモシー・J・リー 監督:ステファン・クラッグ あらすじ サンフランシスコの街角で、強盗事件が起こった。襲われたアベックの男の方はアーチ―・モディ−ンという名の元警察官で、彼はナイフを振りかざして襲ってきた強盗を、逆に持っていた銃で射殺。サンフランシスコのような大都市にはよくある犯罪と思われた。しかし、強盗の正体がコンピューター業界で成功し巨額の財を成したシドニー・ティールであったことから、事件は一転、奇妙な様相を呈しはじめる。なぜ資産50億とも言われる億万長者がケチな強盗など働いたのか? その謎を解き明かすために、ストットルマイヤー警部はモンクを呼び寄せる。 ちょうどその頃、モンクとシャローナは金銭のことでもめていた。モンクが金欠で、シャローナの給料の支払いも滞っていたためだ。コンサルタント料の値上げを警部に交渉するようモンクに迫るシャローナ。しかしモンクは、いったん事件現場に入ると金のことなど度外視して捜査に没頭してしまう。 また、アーチ―・モディーンが連れていた女性が、強盗に襲われた時、近くに警察官がいたのに、銃声におびえてその警官は逃げ去ったと証言。マスコミはその男に「腰抜け警官」というあだ名をつけてさかんに書きたて、苦りきったSFPDの上層部は、一刻も早く事件現場から逃げた警察官を捜しだすようストットルマイヤー警部に厳命。警部はシドニー・ティール事件とはまた別の難問を抱えることになってしまう。 捜査を進めるうちモンクは、アーチ―・モディーンとシドニー・ティールは、実はかつて同じ大学に通っていた友人同士であったことを突き止める。捜査は進展したものの、いつまでも給料を払ってくれないモンクに業を煮やしたシャローナは、ついに彼のアシスタントをやめてしまう――― このエピソードの《警部ファン的》みどころ この回の警部は、上司にせつかれ、マスコミに叩かれ、中間管理職の悲哀がにじみ出ていて可哀想で可愛らしい。 ディッシャーから、集めた情報を総合すると腰抜け警官は現場を逃げ出した後、タクシーに乗って(しかも車内で吐き)バーに行って泣きながら飲んでいるところへ、母親が迎えにきて家に連れ帰ったらしい、と聞き、あまりの情けなさに、思わず自分まで泣きそうな顔になってしまう警部。警察官としての誇りと義務感を心に強く抱いている警部にとって、事件現場から逃げ出すような警官がサンフランシスコに存在すること自体、信じられない、信じたくないことなのである。そんな警部の心の底から発せられたひとことが、モンクにひとつのヒントを与えることになる モンクとシャローナの推理に追い詰められ、進退窮まって銃を抜いたモディーン。一同騒然とする中で、すかさず冷静に銃を抜き応戦する警部。その警部にモディーンが気を取られた隙に、飛びかかって彼を取り押さえるディッシャー。このシーンの二人は、勇気があって、息ぴったりで、めちゃくちゃかっこいい! いつもおかしなことをやったり言ったりばかりしてるから(特にディッシャー)つい忘れがちだけど、二人はサンフランシスコ警察の殺人課という、過酷な第一線で活躍している刑事達なのだ。そんじょそこらの軟弱な野郎とはわけが違うのである。いやんもう、ス・テ・キ! なーんて思ってると、またしても逃げ出していく腰抜け警官の後姿を見送りながら 「あいつを撃て」 「できません」 「じゃ、俺を撃て」 なんて、やっぱり漫才している二人。このギャップがまた、いいのだが。 このエピソードの関連リンク アメリカ公式サイトのこのエピソードのページ 日本公式サイトのこのエピソードのページ |