■名探偵モンク エピソードガイド
名探偵モンク 盲目の目撃者
盲目の目撃者 Mr. Monk and the Red-headed stranger
脚本:アンディ・ブレックマン、トム・シャープリング
監督:ミラン・シェイロフ

あらすじ
 伝説的なカントリー歌手ウィリー・ネルソンのツアーマネージャー、ソニー・クロスが、ラジオ局の裏手の路地で何者かに射殺された。その路地の奥は行き止まりであり、銃声を聞いてラジオ局の職員が飛び出てきた時、その場にいたのはウィリー・ネルソンと、白い杖をついた盲目の女性、マス夫人だけだった。

 ウィリー・ネルソンと殺されたソニー・クロスは金のことでもめており、事件が起こる数時間前にも人前で口論をしていた。また、唯一の目撃者であるマス夫人が現場で犯人の声を聞いたと証言、ウィリーの声を聞くとこの声に間違いないと断言したため、ウィリー・ネルソンは殺人事件の第一容疑者となってしまう。

 亡き妻のトゥルーディと共にウィリー・ネルソンの大ファンであり、また、現場のラジオ局の入り口に張ってあった張り紙にも疑問をもったモンクは、彼にかけられた疑いを晴らすため捜査を開始する。

 しかし、路地裏の様子を映した防犯カメラの様子から、事件現場には確実に被害者とウィリー・ネルソンと盲目の女性しかおらず、また被害者は少し離れた場所から逃げていく背中を撃たれているため、盲目の人間には犯行は不可能ということで、警察のウィリー・ネルソンに対する疑いは決定的なものとなる。ストットルマイヤー警部は逮捕状を請求し、モンクの目の前でウィリー・ネルソンは逮捕されてしまうが、ふとしたことから事件解決の鍵を掴んだモンクは、ウィリーの無実を証明するため、ある男を雇う―――


このエピソードの《警部ファン的》みどころ
 このエピソードでの警部はなんだかちょっと大人げないのだが、それがまた実にキュートで、憎めない。

モンクは何でもお見通し

 右手を骨折して肩から吊っている警部。シャローナにいったいどうしたのかと聞かれ、バイクでハイウェイを走っていたら濡れ落ち葉に滑って転んだんだと説明するが、モンクにはそんな嘘は通用しない。こっそりと問い詰められて、本当は雨といを掃除しようとして梯子から落ちたんだ、と白状させられてしまう。なにも嘘ついてまで隠すような理由じゃないと思うが、それを恥ずかしがっちゃうところが、なんとも子どもっぽくて可愛らしいったら!

全部あわせて123パーセントなり。ご名算!

 オフィスの鏡の前でヒゲの手入れをしているが、片手しか使えないのでなかなかうまくいかなくてイライラしてる警部。そこへディッシャーが、ウィリー・ネルソンの上着についていた血は、40パーセントの確率で銃を撃った時の返り血だ、というラボからの報告を持ってくる。40パーセントでは低すぎる、という警部に、これまでにそろった状況証拠を次々にあげてそのパーセンテージを聞くディッシャー。
「血が40パーセント。ではビデオテープは?」
「48パーセント」
「声に対する証言は?」
「15パーセント」
「動機は?」
「20パーセント」
「じゃ、全部あわせて123パーセントですよ!」
 単純に足し算すりゃいいっていう性質の話でもないだろうと思うが、私は超人的に暗算が苦手なので、このシーンではうわあ、ランディすごい! と素直に感心してしまった。って、これは警部の見所ではなく、ディッシャーの見所だったかも;;

サンフランシスコは楽しい街ですな、はっはっは!

 ウィリー・ネルソン逮捕後の記者会見の場に、またしても現れた全裸のジョギング男。ついに堪忍袋の緒が切れた警部はマイクを手で覆いながらディッシャーに「あいつを捕まえろ!」と小声で怒鳴り、すぐにまた何事もなかったかのように「いやあ、サンフランシスコは楽しい町ですな」とにこにこと笑う、あの白々しさがなんともいえない。しかし、警部のごきげんひとつで、町じゅうを走り回る羽目になるディッシャーと警察官達は、ご苦労さまなことである。


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