■名探偵モンク エピソードガイド
名探偵モンク 求む! アシスタント
求む!アシスタント  Mr. Monk and the Red Herring
脚本:アンディ・ブレックマン
監督:ランドール・ジスク

あらすじ
 10歳の娘ジュリーと暮らすシングルマザーのナタリー・ティーガーは、真夜中に不審な物音に気づいて目をさました。バッドを片手にリビングルームに様子をうかがいに行ったナタリーは、急に何者かに襲いかかられ、もみ合っているうちに無意識に掴んだ大きいはさみで、侵入者の男を刺し殺してしまう。

 その頃、モンクは大変な精神的危機に直面していた。シャローナが何も言わずに彼のアシスタントを辞め、元の夫でベンジーの父親のトレバー・ホウと再婚してニュージャージーに引っ越していってしまったのだ。シャローナが去ってしまったことを認めたがらないモンクにクローガー先生は、あきらめて新しいアシスタントを雇うように忠告する。

 ストットルマイヤー警部はディッシャー警部補とともに、現場検証のためにナタリーの家にいた。警部は、つい数日前にもナタリーが刺し殺した侵入者とは別の男が水道局の職員を装ってこの家を訪れ、何かを探していたらしいことを聞き、この家には何か人から狙われるような価値のあるものはあるか、とナタリーに聞くが、彼女は首を横に振るばかり。そこで警部はナタリーにモンクのことを話し、今、彼はアシスタントが辞めたばかりで仕事を休んでいるが、君が直接会って頼めば引き受けてくれるかもしれない、と勧める。

 新しいアシスタントを求めて、モンクは何人もの看護婦と面接をしていたが、これぞという人にめぐり合えず困り果てていた。その上、面接に来た看護婦の一人が捨てていった煙草の吸殻がもとでごみ箱が燃え上がり、あやうく火事になりかけたちょうどその時、モンクを訪ねてきたナタリーが、この期に及んで消火器の説明書きにこだわるモンクの手から消火器をひったくって炎を消し、モンクは大事を免れる。
 家に侵入した二人の男の狙いは何なのか突き止めて欲しい、というナタリーの頼みをモンクは一度は断るが、ナタリーの必死さに心を動かされて、ついには承諾。彼女の家に向かう。

 ナタリーの家を捜査して、ソファの隙間に落ちていた水槽用の網を見つけたモンク。その網はこの家の物ではなく、しかもまだ真新しい。その上、水槽のライトがつけっぱなしになっている。男たちの狙いはこの水槽にある、と確信するモンク。しかし水槽の中には、ジュリーが死んだ父親で、ナタリーにとっては夫だったミッチからもらったというごく普通の金魚が泳いでいるだけだった。

 ナタリーとモンクは金魚をペットショップに持っていって確かめるが、この金魚は間違いなくどこにでもいる普通の金魚で、値段にすれば1ドルくらいの値打ちしかない。警部やディッシャーと共にモンクとナタリーが首を傾げていると、そこにナタリーが殺した男の情報が届けられる。男の名前に覚えはなかったが、ズボンの後ろポケットから発見された紙切れに書かれた言葉「静かの海。2時30分」を聞いたナタリーは、それは自然博物館で現在公開されているエキシビションで、先週、娘のジュリーがそこに学校の見学授業で行ったことを思い出す。

 さっそく自然博物館へと足を運ぶモンクとナタリー。彼女と共に時を過ごし、彼女の性格を知るにつれて、モンクはいつしか彼女に新しいアシスタントになってもらいたいと考え始める―――


このエピソードの《警部ファン的》みどころ

ビビビっ! と運命を感じた瞬間

 警部の紹介でモンクのもとを訪れたナタリー。シャローナのときと同様、モンクと彼のアシスタントとの出会いにまたしても警部が大きな役割を果たしたことに注目。モンクに捜査を依頼したいと言い出した人に考え直すように言ったことはあっても、自分から、モンクに頼んでみたら? と勧めたことなんて、これまで一度もなかったのに。ナタリーを見たとたん、まず最初に警部が、彼女に運命を感じたのかもしれない。

静かの海なんて名前のクラブに誰が入るか、お前以外に。

 ジュリーの金魚と、その謎を前に
「誰か、考えはあるか?」
すると、ディッシャーが
「この金魚がダイヤモンドを飲み込んでいるとか」
 その意見を聞いた警部は
「ランディのほかに、誰か考えはあるか?」
 ついで、ナタリーが殺した男の後ろポケットに入っていた紙切れに書かれていた「静かの海」という言葉にモンクが
「クラブか何かですかね?」
「違うだろ。誰が「静かの海」なんてクラブに入るんだ、お前以外に」
 警部絶好調。時々出る彼のこういう皮肉っぽいユーモアセンスが好きだ。

ふふふ・・・やっと復活したな!

 謎を解明しよどみなく事件の真相を説明するモンクに、警部は微笑んで
「復活したな」
 たったこれだけのセリフで、今まで警部がモンクのことをどれほど心配し、ようやく調子が戻ってきたのを見てどれほど嬉しく思っているかが、とてもよく伝わってくる。嬉しそうなモンクの笑顔も印象的。地味だけれど、いいシーンだと思う。

あれ? あれれ?

 小さな男の子のお手製の消火器で火を消そうとしたら、かえって炎の勢いが強くなって呆然とする警部。可愛い。


このエピソードの関連リンク
アメリカ公式サイトのこのエピソードのページ
日本公式サイトのこのエピソードのページ

エピソードガイドのインデックスへ
トップページに戻る