■名探偵モンク エピソードガイド
おかしな兄弟 Mr. Monk and the Three Pies |
脚本:トム・シャープリング、ダニエル・ドラッチ 監督:ランドール・ジスク あらすじ 街のお祭り帰りの中年女性が、自分の車に乗ったところで見知らぬ男に襲われ、翌日、道に乗り捨てられた車の中から、彼女は死体で発見された。 ストットルマイヤ―警部はよくあるカージャックとして片付けようとするが、別の事件に関する資料を取りにやってきたモンクは、現場の状況から警部の意見に異論を唱える。とその時、シャローナの携帯にモンクの兄弟と名乗る人物から電話がかかってくる。 彼の名はアンブローズ。職業はいろいろな機械の取扱説明書を書くことで、モンクの家から車で10分ほどの彼らの生家に住んでいるが、モンク以上にさまざまなことに対する恐怖症がひどく、特に広場恐怖症のために家に閉じこもりきりで外に出られない。モンクは、トゥルーディが亡くなり、自分が一番辛かった時に電話一本かけてくれなかったアンブローズに今でも腹を立てており、それ以来、彼らは絶交状態にあった。 アンブローズからの電話をあくまでも無視しようとしたモンクだったが、生きるか死ぬかの話だ、と言われるとさすがに放ってはおけず、シャローナと共に生まれ育った家に向かう。 モンクの家では、二人の複雑な家庭環境やアンブローズのモンクに負けずとも劣らない変人ぶりに、さすがのシャローナも目を白黒。 アンブローズは、隣に住むパット・ヴァン・ランキンという男がアンブローズの友人であった彼の妻を殺したに違いないと訴え、モンクに調べてくれるように頼むが、モンクはその話を信用せず、適当にあしらって帰ろうとする。しかし家の外に出たところで、アンブローズの疑いを裏づけるような手がかりを見つけ、モンクはランキンについて調べ始める。 ランキンの家を訪ね、疑いを確信に近づけたモンクは彼の行動を監視。ランキンが町のお祭りで、芋の袋競争に参加し強引な手で優勝をもぎとって賞品のチェリーパイを獲得、しかも人目につかない場所でそのパイを手でぐちゃぐちゃにかき回しているのを目撃する。 ランキンとチェリーパイの話を聞いたアンブローズは、モンクと同じ優れた記憶を手繰り、数日前の新聞を引っ張り出してくる。そこには、たまたまモンクたちも現場を訪れていたカージャック事件の被害者の中年女性の、殺される直前に撮られた写真が掲載されており、彼女が手にもっている箱には『チェリーパイ』の文字があった――― このエピソードの《警部ファン的》みどころ たいして難しくない(と思われる)事件にまでモンクが首を突っ込んで、物事を複雑にしようとするのが嬉しくない警部は、なんとかモンクを現場から追っ払ってしまおうとする。 「あーあ、どうしよう。バリケードがちゃんとまっすぐになってない」 「そんなこと言って追い払おうとしたって、その手には乗りませんからね」 「そんなことしてないさ。ああ、でも左のやつなんか、てんで斜めになっちゃって」 ただ、あっち行けとか、俺の邪魔をするなと言うばかりだったシーズン1の最初の頃と比べると、警部のやり方が、ずっと巧妙かつ効果的になっているのが可笑しい。 アンブローズの家で、マグカップにいちいちナンバーがふってあるのをみて 「もし壊れたらどうするんだ?」 としごくもっともな質問をする警部。 しかしその一言がきっかけで、昔誤ってカップを割ってしまったことがあるアンブローズがパニックを起こしかけ、ダブルモンクのキャラの強烈さにうろたえ気味に 「ごめん」 と素直にあやまる警部が可愛い。 調べてもパイの中から何も見つからず 「俺達のほうから電話する。お前からは電話するな!」 とかんしゃくを起こす警部。 まあ、実際にはモンクの読みはいつだって正しいわけだが、しかし後日ナタリーが、プリンス・オブ・ダークネスなんじゃないかと疑ったくらいモンクが歩けば殺人にぶつかるし、そんなモンクのカルマにいちいちつきあわされている警部は、ただでさえ忙しそうなのにさらに仕事を増やされて、そりゃ時にはかんしゃくだって起こしたくもなるだろう。 でもいい人だから結局は、話も聞いてくれるし、ちゃんと助けにも来てくれるんだけど。 このエピソードの関連リンク アメリカ公式サイトのこのエピソードのページ 日本公式サイトのこのエピソードのページ |