■テッド・レヴィン出演作品紹介
ヒート 1995年製作 監督:マイケル・マン 出演 ヴィンセント・ハナ:アル・パチーノ ニール・マッコーリー:ロバート・デ・ニーロ ボスコ:テッド・レヴィン 他 |
|
ヒートの予告編 ボスコ バーで楽しむボスコ Nooooooooo! |
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ二大スターの競演で話題となった、マイケル・マン監督のクライム・アクション。 テッドの役は、アル・パチーノ演じるヴィンセント・ハナ警部補(字幕では警部となっているが、本当は警部補)の部下の一人、ボスコ。 実は、最初にテッドに話が来たのはボスコ役ではなく、頭のイカレた連続殺人鬼で裏切り者のウェイングロー役であったらしい。ストーリー上では、ウェイングローの方がボスコよりも重要な役どころだが、精神異常者や殺人者を演じるのにはもう飽き飽きしていたテッドは、古い友人でもあるマイケル・マン監督に自ら頼んで、ボスコ役にしてもらったのだそうだ。 確かに「羊たちの沈黙」でのテッドの素晴らしい演技を観れば、ウェイングロー役を彼に、という監督の気持ちはよくわかるが、しかし、本当のテッド・レヴィンの持ち味(と少なくとも私が考えているもの)はウェイングロー役ではあまり発揮されないだろうし、逆に、バッファロー・ビル役の印象が強すぎたために、その後のテッドにとりついてしまった連続殺人鬼のイメージという呪縛をさらにきつく締め上げて、彼のキャリアの幅を狭めてしまったに違いない。その点で、ここであえてボスコ役を選んだのは英断だったと思う。 ボスコは、直接ストーリー展開に絡んでくるような役ではないが、ハナ警部補の信頼厚い第一の部下で、連続殺人鬼のイメージとは正反対の、誠実で気の良い男といった感じの刑事。しかも、スーツ姿でバッジをつけて口ひげを生やしていて(部分カツラはなしだけど)外見的にストットルマイヤー警部を髣髴とさせずにはおかないので、銃撃戦のシーンでは思わず「警部、危ないぃぃっっ!」と叫びたくなってしまう。 映画自体は、いろんな伏線が最終的にはきちんと組み合わさっている、大変よく出来た脚本だと思うし、どのキャラクターにもちゃんとした背景が感じられて、セリフもかっこよく、全体を包む雰囲気は渋く、そして切ない。アル・パチーノもロバート・デ・ニーロも渾身の演技で、この二人に関しては、二人がぶつかり合うシーンよりも、それぞれが女性と絡むシーンのほうに印象的な場面が多かった。観て損はない、良い映画だと思う。 ヒートのDVDは、オンラインDVDレンタル「livedoor ぽすれん」で借りられるし、amazonのヒートのページから購入もできる。 |