■2006年3月9日、テッド・レヴィンインタビュー

下記のインタビューはこちらのサイトに掲載されている記事を日本語に翻訳したものです。
Meet Ted Levine
ADAM NAYMAN


テッド・レヴィンとは誰?

「羊たちの沈黙」の強烈なバッファロー・ビル役で、おそらく映画史上もっとも不気味な連続殺人犯を演じた後、オハイオ生まれで現在58歳(訳者註:原文の間違い。本当は48歳)の彼は、ハリウッドでも最もよく知られた性格俳優のひとりとなった。彼は、まもなく公開されるウェス・クレイブン監督が70年代に製作したホラー映画"The Hills Have Eyes"のリメイク作品の中では、狂気に憑かれた者たちの犠牲者を演じている。

彼はオリジナルの"The Hills Have Eyes"を参考のために観たのだろうか?

「ほんの少しだけ」
 彼が言うには、アレクサンダー・アジャ監督("High Tension")はキャストに、新しい台本に先入観なしで取り組むように要請したという。
「彼は、映画も観ないようにと言った」
 また、自発的にオリジナルの映画を観ることはなかっただろうとレヴィンは認めた。
「ホラー映画にはあまり興味がないんだ・・・ 血が飛び散り始めると、気分が悪くなってしまうんでね」

しかし、"THE HILLS HAVE EYES"はかなりエゲツない内容の映画じゃないか?

 レヴィンがこのプロジェクトに関わった理由は、決してハードコアの歴史に名を連ねるためではなく、2003年に"High Tension"を観て、アジャ監督と一緒に仕事をしてみたくなったからだという。
「映画作りの大事な要素そのものような作品だったと思う」
 ホラー映画嫌いにもかかわらず、レヴィンはそう賞賛した。
「彼(アジャ)と彼のパートナー(共同脚本執筆のグレゴリ―・レヴァシュー)は、素晴らしい映画人だ」

彼は、他にも良い映画監督を知っている・・・

 俳優としての到達点は、憧れの監督と仕事をすることだとレヴィンは言う。
「コスタ・ガブラス監督とは2度仕事をした(1988年の"Betrayed"と1997年の"Mad City")。彼は、あれらの作品では妥協をしてしまったと思う。彼とはもう一度仕事をしたい。彼の土俵の上で、彼のクルー達と、彼の国でね。監督達がうまくいかなくてイライラしたり、妥協したりさせられているのを見ると、こっちもがっくりしてしまう。逆に、監督が製作側のサポートを全面的に受けている状況での撮影は素晴らしい体験だ。羊たちの沈黙がまさにそうだった。

ちょうど話が出たところで、彼はいまだにバッファロー・ビルの影を背負っているのだろうか?

「たしかに」
 レヴィンは、単純に事実を認める調子で言った。
「あれが僕の一番有名な役だし。あの映画は、僕のキャリアの大きな足がかりにはなった」
 あの映画の後、彼は数多くの精神異常者の役のオファーを受けたが、しかし彼自身は、型にはまったブギーマンにはなりたくなかったという。
「みんな僕に気味の悪いヤツの役ばかりやらせたがって、ボブ(The Hills Have Eyes)やジェイク(ジェニファー・ジェイソン・リーと共演したジョージア)のような善良な男の役をやらせてもらえるようになるのは、大変だったよ」

パーティなどで、バッファロー・ビルの声をやってくれるように頼まれたりはしないか?

 もちろん、それはよくあることのようだ。しかし驚いたことにレヴィンは、人々があの有名な「カゴにローションを入れろ」というセリフのモノマネを、彼の目の前でやって見せても、腹が立ったりはしないという。
「モノマネっていうのは、賞賛のもっとも誠実な表し方のひとつだよ」
と、彼は明るく言う。
「だから、ありがたいと思う」

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